※弊社代表が月刊誌のインタビューを受けました。
兵庫県神戸市の『ヤギ薬局』。同薬局を運営する『神戸船舶薬品』の代表であり薬剤師である八木圭子さんは、痛みや悩みに共感して寄り添う「同治」の考えを大切に、お客様と関わっている。本日は、元 WBC 世界バンタム級チャンピオンの山中慎介氏が、「もっと知識を習得して、みなさんに伝えたい」と話す代表にお話を伺った。
─早速ですが、八木代表の歩みから。
私が小さいころに両親が『ヤギ薬局』 を創業し、休日にはよく連れてこられた ものでした。両親の後は兄が継ぎ、東京 へ進出してエアロビクスもはじめ、また 近年は浸透しつつある薬の配達事業にも 先駆けて参入するなど、精力的に事業を展開しましたが、その兄が他界しまして。 後を私が継いだのです。私自身は大学は 英文科に進学したのですが面白みを見出 せず、薬剤師を志すように。今がとても 楽しいので、薬剤師にシフトして良かったと心から思っています。
─薬剤師として働く今を心から楽しん でおられて、天職と出会われたのだと感 じます。どういった点がやり甲斐ですか。
お客様との交流が楽しくて、ただ薬を 提供するだけではなく、もっとみなさんの健康に寄り添うお手伝いができないか 考え、勉強しています。治療方法には同 治と対治があるのをご存知ですか。例え ば、熱が出た時に解熱剤で下げたり、化膿したら抗生物質を投与するのは西洋医 学で対治にあたります。同治は、熱が出 たら温かいものを食べて汗を出すことで 熱を下げます。また、重病を患って治療 の手立てがないという時にはそばに寄り 添って話を聞き、苦しみを共有して一緒 に涙を流すのが同治です。私は、この同治というものを知って、薬剤師として寄 り添える人になりたいと考えるようにな りました。例えば、自律神経が乱れやす い方には自律神経を整える薬だけでなく、 呼吸法や体操を案内します。
─同治とは、とても素敵な考え方です ね。必要とされている方は多いと思います。
阪神・淡路大震災の後、精神科の先生 が増え、当薬局を利用される方の 8 割が 精神科に通っておられます。多くの方が 長年にわたって通われているので信頼関係を築けていて、こちらの提案を受け入 れて実践してくださるんですね。みなさ んの心に寄り添えるよう、私もまだまだ 勉強を続けたいです。お客様が少ない時 には、一緒に交感神経を落ち着かせる効 果が期待できる体操をするんですよ。と にかく、慌てず焦らず、まずはゆっくり 呼吸をするだけも自律神経は整います。
─そうした知識も教えてもらえる薬局 だから親しまれるのでしょうね。
「笑顔とありがとう」を忘れず、みなさんのお役に立ち、喜んでいただける拠り 所でありたいという想いは父のころから 大切にしています。スタッフにも恵まれ、 長い方は 50 年─同じ志を持つ方と共に 働けることが本当にありがたいです。
─今後については、いかがですか。
もっといろんな知識を得て、みなさん に還元していきたいと思います。病気に なっても病人にならない生き方を綴った 本をはじめ、著名な方や病院の先生方の 言葉や知識をお伝えすると、みなさん関心を寄せてくださるんですね。笑顔で帰っ ていただけるようできることを続けます。 (2025 年 4 月取材)