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【やぎでもわかる?免疫学】 第30回

2004年05月07日

身体髪膚(はつぷ)これを父母に受く

 「身体髪膚(はつぷ)これを父母に受く」


 えらい昔の道徳の本に出てくる言葉で、私が習った教科書等にすら出てき
 ませんでした。


 「考経」という中国の思想書の中にある言葉だそうです。


 人間のからだは、髪の毛から皮膚に至るまで、すべて父母から授かったも
 のです。だから、父母からいただいたからだを大切にしなければならない
 という意味ですね。


 よく年寄りから、この言葉を引用して、「自分の体を傷つける様な、刺青
 などしてはいかん」などと説教されたものです。でも、私の世代で、よほ
 どじゃないと刺青をする人などいなかったから、50年前でも非現実的な
 言葉と感じました。


 ところが、免疫学からいくと、自分の体を傷つける手術は免疫抑制そのも
 のです。


 ガンによらず、手術をすべきかどうか迷った時、是非「考経」の教えを思
 い出してほしいと思います。


 つい最近のことですが、お客様からお電話をいただき、お身内の方がガン
 手術で胃を三分の二切ったお話を聞きました。


 その方とは、古いお付き合いなのですが、私は思わず「その前に一言話を
 して欲しかった」と言ってしまいました。


 「不要だから、切っちゃった」と簡単に申されて、それを聞いて私はえら
 く落胆した次第です。


 「手術はだめなの??」と再度お聞きでしたので、
 「手術は、交感神経を刺激して、しかも顆粒球が増え、大変からだにダメ
  ージがかかることなので、避けて欲しかった」とお答えしました。


 新潟大学大学院医学部教授安保徹先生の「免疫革命」の本に、なぜ手術を
 避けるかをわかりやすく説明していらっしゃるので引用させて頂きます。


  手術自体が、免疫を強く抑制するものです。


  私たちの身体は、外傷を受けたり、火傷を負うと、脈が速くなります。
  これは、組織が壊されると交感神経が強い緊張状態になることを示して
  いる現象です。


  細胞レベルで見てみると、私たちの細胞は、ふつうは脂肪の二重膜に包
  まれています。ところが、外傷や火傷で細胞が壊れると膜が破られて中
  身がこぼれ出たり漏れたりします。


  すると、細胞の中身は強い酸化物なので、その酸化力で交感神経が刺激
  されます。この現象は、当然手術でも起きます。


  手術は組織にメスをいれて傷つけることになるので、大手術になるほど
  、交感神経が激しく刺激されて、顆粒球が激増します。


  もともと顆粒球が多すぎたために組織障害が起こってガンになったのに
  、さらに手術で顆粒球を増やしていいわけがありません。じっさい、大
  きな手術をきかっけにして、ガンが全身に広がることは、頻繁にありま
  す。


  ですから、大手術はできればさけたほうがいいと考えます。


 でも、安保先生は、手術を全面的に否定しておられるのではありません。
 ガン組織を簡単な手術で取り除くことは、悪い選択ではないとおっしゃっ
 ています。


 ところが、手術をしたあと、また再発する事がままあります。それは、ガ
 ン発病の原因が取り除かれていないからです。


 安保先生の「ガンを治す究極の四ヵ条」

  一、生活パターンを見直す
  二、ガンへの恐怖から逃れる
  三、免疫を抑制するような治療を受けない。
    あるいは、受けてる場合は止める。
  四、積極的に副交感神経を刺激する。

 のうちの、「一、生活パターンを見直す」が徹底しないと、ガンが再発す
 るおそれが多くなります。


 ストレスの多い、頑張り屋の生活を改めなくてはなりません。
 転地、転職をも視野に入れた「生活パターンの見直し」です。


 安保先生が、無能唱元(むのうしょうげん)とおっしゃるお坊さんと対談し
 た本があります。「免疫学問答」河出書房新社、がそれです。


 その中に、無能唱元和尚が語るエピソードを紹介します。


  この人は七十歳を過ぎた老人ですが、非常に元気で、六十歳ぐらいにし
  か見えません。現在、旅館を経営しております。


  実は彼は五十代でガンにかかっているのです。検査の結果、ガンだとわ
  かった時、彼は会社をやめました。


  当時、ガンは死病だと思われていました。「どっちみち死ぬのにカネを
  使うのはもったいねえ」そう言って、彼は病院に入るのをやめ、退職金
  で小さな旅館を建てました。


  そして畑を借り、野菜を作り、玄米と菜食だけ提供する旅館を奥さんと
  始めたのです。初めのうちはお客はぜんぜん来ませんでした。しかし、
  彼のガンの進行もストップしたのです。


  「痛みは一週間でなくなったよ」と、毎日農業に励んでいる彼は言いま
  した。現在、彼の旅館は増築して、繁盛しております。食べ物の評判も
  良いのです。


  ガンの告知を受けてから二十年が過ぎました。


  「ガンは治っているのか、治っていないのかさっぱりわからねえが、毎
  日元気で仕事しているよ」、彼はそう言って笑っているそうです。


 はい、いいお話です。ガンは患者だけでなく、家族やまわりにもストレス
 を与えてしまいます。「一、生活パターンを見直す」を実行して、ストレ
 スなしで、ガンが治る方法があると言う良い見本です。


 そのためには、ガン(のみならず全ての病気)は自分で治すんだと言う断
 固たる姿勢が必要です。


 まず、「身体髪膚これを父母に受く」という言葉を脳の隅っこから引き出
 して、せっかく授かった命だから、「自分のからだは自分で守る」人間本
 来の力を信じましょう。


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