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【やぎでもわかる?免疫学】 第13回

2004年02月13日

たばこを止めたい人にそっとお教えします

 さて、テレビの宣伝をいっぱいやったりして、売れているようで、

 全然売れていないのが、禁煙ガムです。

 噛んでいなきゃならないので、人前じゃだめだし、

 仕事中も、まさか、良くないですねェ。


 そこら辺が、不人気の原因で、味じゃないと思うのですが、

 ミント味も出して、メーカーさんはやっきになってます。


 これは処方箋がいるのですが、貼るタイプのものがあります。

 ガムに比べたら使い勝手がいいです。

 でも、これでたばこを止めた人は、私の周りに一人もいません。


 最初は良いのです。

 ニコチンが強めのものを使いますから、禁断症状が起きない。

 でも、だんだん弱いのに切り替えると、

 もうダメで、ついには、たばこに走ってしまう。

 禁煙ガムを買いに見えたお客様が、

 「効果ありますか?」とお聞きの場合、

 ハッキリと「お客様次第です」と答え、積極的にはすすめません。

 なぜかと申しますと、

 たばこを止めるストレスが(非常に)大きいからです。


 喫煙は、ガンの危険因子だとか血圧に良くないと信じている人がいます。

 きっと、マスコミの勉強不足が原因でしょうね。

 ニコチンの効能を知っていてなにも言わない医者も問題(?)が

 あるかも知れない。

 それと、公衆の中でのマナーの問題があるからですよ。

 嫌煙権は認めなきゃと思いますが、ニコチンはリラックスさせるので、

 ストレス対策には有効なのです。


 先日、30代前半の女性の方が相談に見えたのです。

 子宮内膜症で、3年間断続的に(断続的じゃないとだめなのです)

 ホルモン療法を続けるが、一向に良くならないそうです。

 ご来店前に、メールで相談を受けて、お答えしていたのですが、

 来月の生理まで待つのが恐ろしく、いても立ってもいられなくなり、

 私に会いに見えました。


  子宮内膜症の原因は、

   1)ストレス=交感神経優位の状態。

   2)交感神経優位からくる、血流障害。

   3)鎮痛薬の服用(皆さん、おどろくほどの量を飲んでます)

  その方にも、ぴったり条件がはまりました。


 その時、「たばこはいけないですか?」と、聞かれましたので、

 1日に吸う本数をおたずねしたら、「10本」と言うことで、

 「それなら吸って良いですよ」と答えました。

 彼女は、たばこが血管をほそくするので、冷えや心臓に悪いのじゃないか

 と思っていたそうです。


 しかし、事実は違います。

 生体がリラックスを誘導しエネルギーを蓄積する反応を進める時、

 つまりほっとしようとした時、自律神経のうち副交感神経を刺激します。

 副交感神経刺激は、体内ではアセチルコリンよって行われ、

 からだの各細胞はアセチルコリン受容体をもって、それを受け止めます。

 アセチルコリン受容体は、ニコチン刺激で興奮するものとムスカリン刺激

 で興奮するものがあります。


 たばこを吸って体内に入ったニコチンは、このアセチルコリン受容体を介

 して体内をリラックスの世界にいざないます。

 仕事など、長時間緊張したあとの一服は十分に有益なのですよ。


 また、ニコチンは、狭心症の薬として使われており、心筋梗塞になるのを

 防いでくれます。

 たばこの葉やまいてある紙が燃えてでるタールの影響は無視することはで

 きません。


 江戸時代の様に、キセルで一服という時代では、多くの量を吸うこともな

 かったでしょうから、それこそ長寿の秘薬と言われていました。


 ですから、つまりは量です。

 健康に良いからと、むやみに多量のサプリメントを摂るのも良くないし、

 百薬の長と言われるお酒も、

 万事過ぎたるは及ばざるがごとしです。


      参考文献:「医療が病をつくる」安保徹、岩波書店、1,800円


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