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【やぎでもわかる?免疫学】 第07回

2004年01月15日

受験生の敵<過敏性腸症候群>

 この「免疫学」のシリーズが、難しいのじゃないの?

 と言うご意見もいただいております。

 難しいのは、書き手の不勉強を表しておりまして、

 よーく、文章をかみ砕き、わかりやすいストーリーにしていきたいと

 存じます。


 さて、たとえば、食事をして、食べ物の中に、

 コレラ菌やサルモネラ菌があって、体内に入ると、下痢が起きます。


 これは、自律神経の一つ副交感神経による排泄反射です。

 「あっ、毒だ!」と菌を認識して、

 消化液を目一杯分泌し、便を液状にしたまま、

 からだの外に出してしまいます。


 これは、毒の場合ですが、

 人間関係に問題があったり、

 ひどい言葉で傷つけられたというような

 精神的なストレスに対しても、排泄しようとする反射が起きます。


 いわゆる「むかつく」と言う言葉があるように、

 実際に、吐き気をもよおすことを経験したことがあるでしょう。


 吐き気は、上部消化器官(胃)に起きますが、

 下部消化器官(腸)に起きると、それが下痢となります。


 ストレスを受けると、自律神経のうち、交感神経が緊張します。

 すると、交換神経は排泄を止める作用があるので、便秘になります。

 便秘に耐えられなくなると、排泄しようとして下痢になる。

 だから、過敏性腸症候群と言う病気は、

 便秘と下痢を交互に頻繁にくり返します。


 過敏性腸症候群に一番なりやすいのは、受験期の子供達です。

 受験のストレスは想像以上に過酷で、その影響はもろに出てしまいます。


 交互に症状が出た場合、便秘はお腹が重くなるし、

 下痢はお腹が痛くなります。


 そこで、たいがいは、便秘時ではなく、

 下痢になってからお医者に行きますよね。

 きっと、読者もそうされるでしょう。


 すると、医者は、当面の下痢を止める薬と、痛みが激しい場合、

 鎮痛剤を与えます。


 下痢を止める薬とは、消化管の動きを止めることだから、

 副交感神経遮断剤のことです。


 だって、医者に、それは体の自然な反射作用だから、

 治まるまで辛抱しなさい、なんて言われたら、どう思います?


 不快感や痛みから逃れるために、医者にたよっているから、

 「また、理不尽な医者だ」と言うことで、

 その医者には二度と行かないでしょ。


 だから、副交感神経遮断剤や痛み止めを処方してもらって、

 当面の不快感や痛みを抑える。


 ここから間違いが起きる。


 つまり、それらの薬の使用は、副交感神経を遮断して、

 交感神経を刺激するから、腸管の運動が止められてしまう。

 そして、薬による便秘が起き、

 便秘に耐えられなくなった体は、下痢を起こす。


 それを治すために薬を飲むと、その薬の使用がストレスの元になり、

 ますます治りにくくなるのです。


 だから、まず治療すべきは下痢なのでなく、便秘の方です。


 下痢は、ストレスから逃れようとする治癒反射ですから、

 それを止めるのではなく、

 原因は精神的ストレスからくる交感神経の緊張が生んだ便秘なので、

 下痢になる前に、副交感神経を刺激して、自発的に

 排泄すればよいのです。


        参考文献:「こうすれば病気はなおる」安保徹、新潮選書
             「医療が病をつくる」安保徹、岩波書店


<マスター八木から一言>

 もうお分かりのように、受験生はそのストレスから便秘になりやすい。

 そこで、普段から繊維の多い食事をとり、乳酸菌などの補給で、

 腸内細菌のバランスをととのえて、便秘にならないように、

 気を使ってくださいませ。


 また、ストレスが高じると、食欲がなくなり、便が少なくても

 便秘になることがあります。

 そんな時、良質な食物繊維を含有するサプリメントの使用も

 おすすめします。



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